はじめに
パソコン関連の資格の中でも、ExcelやWordなどを有するMicrosoftOfficeの資格「MOS」は特に知名度が高く、ビジネスでの必須スキルを証明できることから人気があります。
今やほとんどの企業・職種で業務に欠かすことのできない、Microsoft Office製品のスキルを証明する資格です。
今回は、MOSの資格にはどのような種類があるのかご紹介します!
MOSとは?
MOSとは、Microsoft Office製品の操作スキルを証明する国際資格のことです。
※正式名称は、Microsoft Office Specialist(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
マイクロソフト社が認定している資格ということもあり、数あるパソコン関連の資格の中でも特に知名度が高く、ビジネスでの必須スキルを証明できるため人気もあります。
また、受験資格や条件は特にないため、年齢や国籍問わず、誰でも受験可能です。
MOSは実技試験のみで、筆記試験はありません。合格すると認定証が発行され、取得した資格は日本だけでなく世界中で通用します。
MOSの資格にはどんな種類があるの?
MOSの資格を取得できるのはMicrosoft Office製品の、Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlookの6つ。さらにバージョンや難易度で細分化され、合計14種類用意されています。
内容 | |
Officeソフト | Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlook |
バージョン | 2013、2016 |
レベル | スペシャリストレベル エキスパートレベル ※Word、Excelのみ |
バージョン2019、365の資格試験はまだ開催されていません。(2020年4月以降に開催予定)
バージョン2010の試験は2020年3月で終了のため、ここでの紹介は割愛します。
スペシャリストレベルは、各Officeソフトを使いこなすための必要最低限のスキルを証明します。(必要最低限とはいえ、実際の業務にも活かせるレベルです!)
エキスパートレベルはスペシャリストレベルよりも上級で、各Officeソフトでの作業をより効率的に、便利に使いこなす高度なスキルを証明できます。
ただし、エキスパートレベルに合格しても、スペシャリストレベルのスキルを習得したという証明にはなりません。
基本的な操作スキル、応用的なスキルの両方を習得・証明したい場合は、スペシャリストレベルとエキスパートレベルのどちらも合格する必要があります。
現在はWordとExcelのみスペシャリストレベルとエキスパートレベルが用意されており、PowerPoint、Access、Outlookはスペシャリストレベルのみです。
また難易度と同様に、資格はバージョンごとにも独立しているため、2016に合格しても、2013のスキル証明にはなりませんのでご注意ください。

Word
Wordは文章作成ソフトです。
書類にグラフや表を盛り込んだり、レイアウトを整えたりすることができます。実際の業務では主に、報告書や契約書、依頼書などビジネス文書の作成に使用します。
Wordスキルを証明するMOSの資格は4種類で、各バージョンごとにスペシャリストレベル、エキスパートレベルが用意されています。
Word 2016バージョン
スペシャリストレベル
詳細 | |
内容 | ・文書の作成と管理 ・文字、段落、セクションの書式設定 ・表やリストの作成 ・参考資料の作成と管理 ・グラフィック要素の挿入と書式設定 |
費用 | 一般:10,780円(税込) 学割: 8,580円(税込) |
エキスパートレベル
詳細 | |
内容 | ・文書のオプションと設定の管理 ・高度な機能を使用した文書のデザイン ・高度な機能を使用した参考資料の作成 ・ユーザー設定可能なWord要素の活用(作業をより効率化する便利技) |
費用 | 一般:12,980円(税込) 学割:10,780円(税込) |
Word 2013バージョン
スペシャリストレベル
詳細 | |
内容 | ・文書の作成と管理 ・文字、段落、セクションの書式設定 ・表やリストの作成 ・参考資料の適用 ・オブジェクトの挿入と書式設定 |
費用 | 一般:12,980円(税込) 学割:10,780円(税込) |
エキスパートレベル
詳細 | |
内容 | 試験がPart1とPart2の2回(それぞれ50分)あり、どちらにも合格する必要があります。 ・文書の管理と共有 |
費用 | Part1、Part2それぞれ 一般:10,780円(税込) 学割:8,580円(税込) |
スペシャリストレベルでは一般的なビジネス文書の書き方(レイアウトなど)にのっとった書類を作成するスキルが必要となり、エキスパートレベルでは文書のレイアウトを自分で調整したり、共有文書の管理を行うなど、より高度なスキルが求められます。
Excel
Excelは表計算ソフトで、表やグラフの作成、データの集計・解析などが可能です。
実際の業務では、顧客名簿の作成・管理や設計書、進捗管理用の表作成などに利用されます。
Excelスキルを証明するMOSの資格は4種類で、各バージョンごとにスペシャリストレベル、エキスパートレベルが用意されています。
Excel 2016 バージョン
スペシャリストレベル
詳細 | |
内容 | ・ワークシートやブックの作成と管理 ・セルやセル範囲のデータの管理 ・テーブルの作成 ・数式や関数を使用した演算の実行 ・グラフやオブジェクトの作成 |
費用 | 一般:10,780円(税込) 学割:8,580円(税込) |
エキスパートレベル
詳細 | |
内容 | ・ブックのオプションと設定の管理 ・ユーザー定義のデータ表示形式やレイアウトの適用 ・高度な機能を使用した数式の作成 ・高度な機能を使用したグラフやテーブルの作成 |
費用 | 一般:12,980円(税込) 学割:10,780円(税込) |
Excel 2013 バージョン
スペシャリストレベル
詳細 | |
内容 | ・ワークシートやブックの作成と管理 ・セルやセル範囲の作成 ・テーブルの作成 ・数式や関数の適用 ・グラフやオブジェクトの作成 |
費用 | 一般:10,780円(税込) 学割:8,580円(税込) |
エキスパートレベル
詳細 | |
内容 | 試験がPart1とPart2の2回(それぞれ50分)あり、どちらにも合格する必要があります。 ・ブックの管理と共有 |
費用 | Part1、Part2それぞれ 一般:10,780円(税込) 学割:8,580円(税込) |
Excelのスペシャリストレベルは、表やグラフの作成、数式・関数を使った計算など基礎的なスキルがメインです。エキスパートレベルでは、数式・関数やレイアウトを自ら設定する高度なスキルが必要になります。
PowerPoint
PowerPointはプレゼンテーションソフトです。文章や写真、グラフなどを盛り込んだスライド資料を作成でき、会社説明会や会議、研修会など、プレゼンテーションを行う際に使用します。
PowerPointのスキルを証明するのMOSの資格は各バージョンごとの2種類で、難易度はスペシャリストレベルのみです。
2016 スペシャリストレベル
詳細 | |
内容 | ・プレゼンテーションの作成と管理 ・テキスト、図形、画像の挿入と書式設定 ・表、グラフ、SmartArt、メディアの挿入 ・画面切り替えやアニメーションの適用 ・複数のプレゼンテーションの管理 |
費用 | 一般:10,780円(税込) 学割:8,580円(税込) |
2013 スペシャリストレベル
詳細 | |
内容 | ・プレゼンテーションの作成と管理 ・図形やスライドの挿入と書式設定 ・スライドコンテンツの作成 ・画面切り替えやアニメーションの適用 ・複数のプレゼンテーションの管理 |
費用 | 一般:10,780円(税込) 学割:8,580円(税込) |
Access
Accessはデータベース管理ソフトです。大量のデータを蓄積・管理することができ、在庫管理や販売管理などに活用されています。
Accessスキルを証明するMOSの資格は各バージョンごとの2種類で、難易度はスペシャリストレベルのみです。
2016 スペシャリストレベル
詳細 | |
内容 | ・データベースの作成と管理 ・テーブルの作成 ・クエリの作成 ・フォームの作成 ・レポートの作成 |
費用 | 一般:10,780円(税込) 学割:8,580円(税込) |
2013スペシャリストレベル
詳細 | |
内容 | ・データベースの作成と管理 ・テーブルの作成 ・クエリの作成 ・フォームの作成 ・レポートの作成 |
費用 | 一般:10,780円(税込) 学割:8,580円(税込) |
Outlook
Outlookは電子メール・情報管理ソフトです。メール、予定表、連絡先、タスク、Todoなどの管理を行うことができます。
Outlookスキルを証明するMOSの資格はPowerPoint、Access同様、各バージョンごとの2種類で、難易度はスペシャリストレベルのみです。
2016 スペシャリストレベル
詳細 | |
内容 | ・生産性向上に向けた Outlook の環境の管理 ・メッセージの管理 ・スケジュールの管理 ・連絡先や連絡先グループの管理 |
費用 | 一般:10,780円(税込) 学割:8,580円(税込) |
2013 スペシャリストレベル
詳細 | |
内容 | ・Outlook の環境の管理 ・メッセージの管理 ・スケジュールの管理 ・連絡先や連絡先グループの管理 |
費用 | 一般:10,780円(税込) 学割:8,580円(税込) |
マイクロソフト オフィス スペシャリスト マスターとは
14種類の資格試験の中から規定の4つの試験に合格すると、複数のOfficeソフトのスキルを総合的に持っていることを証明する「マイクロソフト オフィス スペシャリスト マスター」の称号と認定証が獲得できます。
Officeバージョンごとに称号も分かれており、それぞれ必要な試験が異なっていますので、もし取得を目指す場合には受験すべき試験の種類に注意しましょう。
MOS 2016 マスター
Office2016バージョンの総合的なスキルを持っていることを証明できます。
詳細 | |
必須試験 | ・Word 2016 エキスパート ・Excel 2016 エキスパート ・PowerPoint2016スペシャリスト |
選択 | Access 2016 または Outlook 2016 |
MOS 2013 マスター
Office2013バージョンのうち、Wordの上級レベルのスキルと、複数のOfficeソフトを使いこなせるスキルを持っていることを証明できます。
詳細 | |
必須試験 | ・Word 2013 エキスパート Part 1 ・Word 2013 エキスパート Part 2 ・Excel 2013 スペシャリスト |
選択 | PowerPoint 2013 、Access 2013、Outlook 2013のいずれか |
MOS 2013 マスター Excelコース
Office2013バージョンのうち、Excelの上級レベルのスキルと、2種類のOfficeソフト(Wordともう1つは選択制)を使いこなすスキルを合わせて、Officeソフトを使ってデータを扱う業務に必要なスキルを持っていることを証明できます。
詳細 | |
必須試験 | ・Excel 2013 エキスパート Part 1 ・Excel 2013 エキスパート Part 2 ・Word 2013 スペシャリスト |
選択 | PowerPoint 2013 、Access 2013、Outlook 2013のいずれか |
MOS 2013 マスター エキスパートコース
Office2013バージョンのWordとExcelの両方の上級スキルを持っていることを証明できます。
詳細 | |
必須試験 | ・Word 2013エキスパート Part 1 ・Word 2013エキスパート Part 2 ・Excel 2013エキスパート Part 1 ・Excel 2013エキスパート Part 2 |
選択 | なし |
MOSの資格の受験時期は?
MOSの認定試験は全国の会場で、少なくとも月1回以上開催しています。
全国一斉試験と随時試験という2種類の受験方法があり、どちらの受験方法を利用するかによって開催頻度・実施日が異なります。
- 全国一斉試験:毎月1〜2回、日曜日に実施
- 随時試験:全国1,700の会場で随時実施(会場によって開催頻度、曜日が異なる)
全国一斉試験は毎月1〜2回、各都道府県ごとの決められた都市で実施されています。
試験日の1ヶ月〜1ヶ月半前から申し込みが可能ですが、試験会場の指定ができず、最寄りの会場で試験を受けられるとは限らないので注意が必要です。(申し込みの際、受験会場の希望地域を第三希望まで提出し、申し込み先着順に第一希望の地域へ振り分けが行われます。具体的な会場は受験票が届く際に知らされます。)
随時試験は、主に全国のパソコンスクールなどが会場となっており、申し込み締め切りや開催頻度は会場によって異なりますが、平日や土日問わず、多ければ毎週1〜2回試験を実施しています。
なお、会場や実施日によって、受験できる試験の種類が異なる場合がありますので、申し込みの際には自分の受けたい資格の試験が実施されているかどうかご確認ください。

MOSの資格をとるメリット・デメリット
資格を取得する際、自分にとってどのように役立つ可能性があるのか、気になりますよね。ここからは、MOSを取得するメリット・デメリットをお伝えします。
デメリット
就職活動や転職活動の予定がない人、職場でパソコンを全く使わない人は、MOSを活かせる機会が少ないです。
また、Officeソフトは3年ほどの周期で、新しい機能や操作性を持つ新バージョンが発売されるため、古いバージョンの資格はだんだんと、役立つ機会が減っていきます。
ただ、入社当初は必要がなくてもキャリアアップとともにMicrosoftOffice製品のスキルが必要になることもありますし、新しいバージョンのOfficeソフトも、それまでと操作方法や機能が全て変わってしまうわけではないので、MOSで取得した知識やスキルが無駄になってしまうわけではありません。
MOSを取得する際には、取得目的を明確にして、受験のタイミングやOfficeバージョンを選ぶと良いでしょう。
メリット
MOSの資格を取るメリットは主に3つあります。
- 知識・スキルが身に付く
- 就職活動でアピールポイントになる
- 業務の作業効率がアップする
MOSを取得するには、実際にOfficeソフトを使った学習が必須です。
パソコン初心者にもわかりやすい対策講座や教材が豊富にあるため、学習を進めるごとに実践的なスキルを身に付けていくことができます。
また、MOSは正式に認められている国際資格でもありますので、履歴書へ記載でき、就職活動で強みとして有利にアピールすることが可能です!
Microsoft Office製品は多くの企業、職種でほぼ確実に使用しますので、就職後も取得したスキルが役に立ちます。
就職活動やその後の仕事にどのように役に立つのか詳しく知りたい方は、関連記事もご確認ください。
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MOS*マイクロソフトオフィスの資格は就職に有利か
MOSの受験をおすすめしたい人
こんな方におすすめ
- 仕事でパソコンを使う人
- ビジネスマン・OLとして就職を目指している人
- 事務作業の効率を上げたい人
- 就職活動で有利になる強みを増やしたい人
- 転職やキャリアアップを目指している人
上記に当てはまる人は全て、MOSを受験するとメリットが大きいです!
Microsoft Office製品はどのような企業・職種に就いても、ほぼ確実に業務に使用する機会があります。
MOSを取得していれば、就職活動で強みとしてアピールをすることも、就職後実際に仕事でスキルを活用することもできます。
そして現在、事務作業の効率を上げたいと考えている人、Microsoft Office製品のスキルに不安がある人も、MOSを取得することで、業務改善が可能になるので、おすすめです^^

まとめ
今回はMOSの資格の種類や、メリット・デメリットなどをまとめました。
社会人になるとWord、Excel、PowerPointは特に利用する機会が多く、必須スキルです。
私もOL時代、仕事でOfficeソフトを使っていましたが、スキルがあるか・ないかで、仕事にかかる時間も、精神的な負担も全然違いました。(スキルがなかった時は時間ばかりかかって焦ったりイライラしましたが、スキルを獲得するごとに驚くほど作業が楽になって、業務への自信もつきました!)
MOS取得レベルのスキルがあると、確実に業務効率も上がりますし、質の良い成果を出すこともできます。
就職・転職活動にも有利に活かせるので、これから就職や転職活動を予定している人、ビジネスマンやOLを目指している人、業務の効率を上げたいと思っている人には、ぜひ取得してほしい資格です。
初心者にもわかりやすい教材や、合格に向けた対策講座も豊富に用意されていますので、MOSに挑戦する際にはぜひ活用してみてくださいね!